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抗原検査キットのネット販売はだましの鉄則を使っている
だましのパターン①考える時間を与えない
”抗原検査キット”をネットで検索すると様々なネット通販サイトがヒットします。きれいなキットの画像とわかりやすいイラストが表示され、スクロールもせずすぐにキットの購入数を入れて”カートに入れる”をぽちっと押せばすぐに購入フォームに行く仕様です。もう何も考えずとも、2~3分で購入ができます。
はっきり言ってこの手のサイトでは購入しない方が良いです。
まず、国内で厚生労働省の承認を受けて販売ができるようになったものは、厚生労働省がリストを公開しており現在36製品あります。厚生労働省ホームページ 新型コロナウイルス感染症の体外診断用医薬品(検査キット)の承認情報
薬局及びドラッグストアで薬剤師から説明を受けてこのリストにある商品を購入しましょう。まともな検査キットです。
だましのパターン②うその権威付け
筆者がgoogleで検索してすぐにヒットしたサイトの商品はこの厚生労働省のリストには無く、”EU加盟国の基準を満たすCE認証取得”、”ドイツの連邦機関ポール・エールリッヒ研究所承認”とあり、だから安心安全だね!という雰囲気を出しています。
そう。あくまで雰囲気だけ。
”EU加盟国の基準を満たすCE認証取得”、”ドイツの連邦機関ポール・エールリッヒ研究所承認” これらの単語を聞いたことのない人のために解説を下の表にまとめました。
注意が必要なのは実際にドイツのセルフチェック用に流通している検査キットもこれらのCE認証、ポールエールリッヒ研究所の承認をうけているものがあります。
その仕組みを悪用している業者が見られます、そういう業者では承認を受けたかのような印象付けをしてデタラメな製品を販売しています。
これらは海外のすごいところが認めた、なんか安心な商品と思ってもらうための単なる権威付けに利用されており虚偽の可能性すらあります。
業者が”厚生労働省が認めた”と言えないのでこれを代わりに言っているだけです。
だましに使う用語 | 解説 |
---|---|
CE認証 | EUに規制されている製品を流通させる際に必要。抗原検査キットなどの体外診断用医薬品や、電化製品など様々なものがこのEUの規制の対象となる。一定の基準を満たすことで自主的に宣誓書をつくりCE認証を表示できる。抗原検査キットなど一部の製品は第三者機関の認定が必須となる。EU内で流通するにあたっての安全性を確保するための最低限の基準なので、CE認証は高品質の証ではない。CE認証は虚偽で表示すると宣誓書にサインしたものが罰則を受けるのでCE認証の書類としてweb挙げられる画像は軒並み解像度が荒く読めないようになっている。 |
ポール・エールリッヒ研究所認定○○ | ドイツのワクチンや体外診断用医薬品など一部の医薬品の承認を行う機関。ワクチンの標準化と評価のためのWHO協力センターとして認定されている。このことから○○はポール・エールリッヒ研究所に認定されていると書いて、海外で承認されているだけで効果は確かという印象付けに使う。 |
厚生労働省は研究用と表示している製品により新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)への感染を判断しないように呼び掛けています。
だましのパターン③ちゃっかり業者の抜け道は用意
悪質な業者は巧みにこの厚生労働省の通達を抜け道にして、サイトの目立たないところに”研究用”とか”新型コロナウイルス (SARS-CoV-2) への感染の判断には使わないで下さい”と書いています、ひどいところは、”今はワクチン接種が進んでいるので陰性判定しかでません”と書いているところまであります。
これはもはや抗原検査キットかどうかも怪しいです。唾液で色が変わる紙をプラスチックのケースに差し込んだだけのオモチャの可能性すらあります。
一方で、ある製品はドイツにてセルフチェック用に特別承認されている検査キットを販売している風ですが、吹き出しで検査キットの箱の一部を隠して画像から製品名が判別できず、CE承認とDakks(メーカーではない第三者の評価機関)認証の書類が解像度が低く読めず偽物かホンモノか判断出来ないものもありました。レビューに星5しかないのも引っかかります。
こういうところからは買わなくてよいです。製品が届かないなどのトラブルも報告されています。参照 独立行政法人国民生活センター 新型コロナウイルス感染症の検査キットでのトラブル-事前に注意事項をよく確認し、目的に合わせ、適切に利用しましょう
抗原検査キットは薬局およびドラッグストアのみの販売許可です
厚生労働省の承認した抗原検査キット(体外診断用医薬品)は現在ネット販売が許可されていません。
病院および診療所で診断用に使う医療用抗原検査キットを特例として、薬局およびドラッグストアで一時的に販売を対面に限り許可しているにすぎません。
販売に際には対面で薬剤師からの説明を受ける必要があります。
最寄りの調剤薬局やドラッグストアに問いあわせて販売してもらいましょう。
ただし2022年1月29日現在かなりの品薄です。各社ほとんどが流通規制がかかり薬局およびドラッグストアでは在庫不足が続いています。発注しても薬局に入荷しないのです。
行く前に電話して在庫を確認してみることをおすすめします。