
令和7年(2025年)保険証の期限とマイナ保険証移行完全ガイド
― 日本の医療保険制度の仕組みと「いつまでに何をすべきか」を整理 ―
1.2025年の保険証有効期間スケジュールをまず確認しましょう
スケジュールは「現行保険証の発行終了」→「完全移行」→「経過措置期間」の三段階で整理されています。
つまり、2024年12月2日に新しい保険証の発行が停止され、2025年7月から12月にかけて順次期限を迎え、同年12月2日からマイナ保険証へ完全移行、2026年3月末で暫定措置が終了する流れです。まずはこのスケジュールを理解し、ご自身とご家族の保険証の状態を確認しておくことが大切です。
2025年11月現在、日本のすべての公的医療保険では「従来の健康保険証(紙やカード型)」から「マイナ保険証(マイナンバーカードを健康保険証として利用)」への完全移行が最終段階に入っています。
まず最初に確認していただきたいのは、ご自身の保険証がいつまで使えるのかという点です。
政府の公式方針では、従来の健康保険証の最長有効期限は2025年12月1日までと定められています(関連記事リンク)。翌12月2日以降は、原則として従来の保険証は使用できません。券面に有効期限の記載がない保険証であっても、実質的には2025年12月1日が期限とお考えください。
制度別に見ると、国民健康保険や後期高齢者医療制度の保険証は多くの自治体で2025年7月31日に期限を迎えます。一方で、協会けんぽや健康保険組合などの被用者保険は在職中であれば更新は不要でしたが、移行措置のためこちらも2025年12月1日が実質的な使用期限となります。
さらに、政府は移行直後の混乱を防ぐために2026年3月31日までの経過措置(関連記事リンク)を設けています。この期間中は、期限切れの保険証でも医療機関で保険扱いとして利用できますが、それ以降は完全に無効となります。時系列で流れを箇条書き。
- 2024年12月2日 新しい保険証の発行が停止
- 2025年7月から12月 順次期限を迎え
- 2025年12月2日 マイナ保険証へ完全移行
- 2026年3月末 暫定措置
2.2025年に何をすべきか ― 期限に沿った行動計画
スケジュールが分かったところで、次は「いつ」「何をすべきか」を順を追って整理していきます。
最も重要なのは、2025年7月から12月の間に、自分と家族の保険証を確認し、マイナ保険証への準備を完了させることです。
まず、今すぐ行ってほしいのは、お手元の保険証の有効期限の確認です。国民健康保険や後期高齢者医療制度の方は券面に記載された日付が有効期限になります。被用者保険(協会けんぽや健康保険組合など)で有効期限の記載がない場合でも、2025年12月1日が上限と考えておきましょう。
次に、マイナンバーカードをお持ちであれば、健康保険証としての利用登録が済んでいるかを確認してください。登録が完了していれば、2025年12月以降もスムーズに保険診療を受けることができます。
一方で、マイナンバーカードを持っていない方、または利用に不安がある方には「資格確認書」という代替書類が無料で交付されます。これは紙の証明書ですが、医療機関では従来の保険証と同様に資格確認ができます。資格確認書は保険者(協会けんぽ・健康保険組合・市区町村など)が自動的に郵送する場合が多く、申請は不要です。
2025年7月以降、国保や後期高齢者医療では新しい保険証が発行されず、資格確認書またはマイナ保険証での対応に切り替わります。そのため、夏までには登録を済ませるか、資格確認書が届いているかを確認しておくことが大切です。
また、退職や転居によって保険者が変わると、一時的に保険資格が反映されない期間が生じることがあります。手続きの遅れがあると、受診時に「資格なし」と表示される場合もあるため、勤務先や市区町村への届出は早めに済ませておきましょう。
そして、2025年12月2日以降は、原則として従来の保険証だけでは保険診療を受けられなくなります。マイナンバーカードや資格確認書を持たずに受診した場合、一時的に医療費を全額(10割)自己負担で支払い、後日保険者へ請求して払い戻しを受ける流れとなります。旧保険証を持参しても保険資格が薬局や病院側のシステムで確認できた場合などは2026年3月までの保険適応で受けられますが一時的な特別な措置です。トラブルを防ぐためにも、常にマイナンバーカードまたは資格確認書を携帯する習慣をつけておくことが重要です。
3.日本の医療保険制度と更新ルール
日本の公的医療保険制度は、大きく分けて四つに分類されます。
第一に、勤務先を通じて加入する被用者保険です。全国健康保険協会(協会けんぽ)、企業の健康保険組合、公務員の共済組合などが含まれます。これらは従来、有効期限の記載がなく、資格を喪失しない限り継続して利用できる仕組みでしたが、2024年12月以降は新規発行が停止され、2025年12月1日が実質的な期限となります。
第二に、国民健康保険です。市区町村が運営し、自営業や退職者、扶養から外れた家族などが加入します。保険証の有効期限は多くの自治体で1年ごとに更新されており、たとえば「2024年8月1日から2025年7月31日まで」という期間が一般的です。更新時期になると新しい保険証が郵送され、古いものは期限を過ぎると無効になります。
第三に、後期高齢者医療制度があります。75歳以上、または一定の障害がある65〜74歳の方が対象で、有効期限は毎年7月末日です。新しい保険証は8月1日に発行されます。2025年の更新を最後に、こちらもマイナ保険証または資格確認書へ切り替わります。
最後に、船員を対象とした船員保険があります。これも被用者保険に近い仕組みで、資格喪失まで使用可能でしたが、2025年12月1日で従来証の利用が終了します。
このように、保険証の更新時期やルールは制度によって異なりますが、2024年から2026年にかけては全国的にマイナ保険証への移行が進み、すべての加入者がいずれかのタイミングで切り替えを経験することになります。
4.マイナ保険証の仕組みと利点
マイナ保険証とは、マイナンバーカードに健康保険証としての機能を登録し、医療機関や薬局でオンライン資格確認を行う仕組みです。カードを専用端末に置くと、顔認証や暗証番号の入力で本人確認が行われ、保険資格の情報が瞬時に照会されます。
従来の保険証では、転居や転職のたびに新しい保険証が発行される必要がありましたが、マイナ保険証はデータが自動的に更新されるため、資格切り替えの遅れによるトラブルが減ります。また、医療機関が過去の診療情報や薬剤情報を閲覧できるため、重複投薬や副作用のリスク軽減にもつながります。薬剤師にとっても、より正確な服薬指導が可能になるという利点があります。
ただし、注意点もあります。マイナンバーカード本体には10年(20歳未満は5年)、電子証明書には5年の有効期限があります。電子証明書の期限が切れると、一時的に保険証機能が停止する可能性があるため、通知が届いたら早めに更新しておくことが必要です。また、カードを紛失したり暗証番号を忘れた場合には、再発行や再設定の手続きが必要になります。
まだすべての医療情報がマイナ保険証で閲覧できる情報にまとめられていないので、発展途上のシステムですが今後より強化されていきます。すでに併用薬の飲み合わせチェックがしやすくなり薬物治療がより安全になっています。今後は病院内部での治療やカルテも共有される仕組みが検討されており、アナログだよりだった医療機関の連携もスムーズになるでしょう。今後数年で発達していきます。
5.資格確認書というもう一つの選択肢
マイナンバーカードを持たない方や利用しない方のために、すべての保険者では「資格確認書」を発行しています。これは氏名、保険者名、記号番号、有効期限などが記載された紙の証明書で、医療機関や薬局では従来の保険証と同様に使用できます。資格確認書は原則申請不要・無料で交付されます 。
たとえば協会けんぽや市区町村は、先述の通りマイナンバーカード未所持者へ事前に郵送しています。後期高齢者医療制度の被保険者については特に配慮されており、2026年7月末まではマイナ保険証の有無にかかわらず申請なしで資格確認書が自動交付されます 。
資格確認書の有効期限は4〜5年程度とされており、更新時には保険者から案内が届きます。特に高齢者施設や長期入院中の方など、マイナンバーカードの利用が難しい方にとっては、資格確認書が安心の支えとなります。
マイナ保険証への移行の「すき間」を埋めるのが被保険者資格確認書です。マイナンバーカードを持たない人や一時的にカードが使えない人に対し、保険者が無料で発行する書面で受診時の資格確認に使えます。資格確認書は原則1年以内の有効期限で、必要に応じて更新可能です。現行保険証の発行終了後も、マイナ保険証を取得していない人の受診アクセスを担保するための経過措置です[3]。
6.医療機関での提示とトラブル対応
2025年12月2日以降は、受診時にマイナンバーカードまたは資格確認書の提示が原則となります。カードリーダーが設置された医療機関では、カードをかざして顔認証または暗証番号入力を行えば手続きは完了します。資格確認書の場合は窓口で目視確認され、必要に応じてオンライン照会が行われます。
もしカードを忘れた場合でも、診療を断られることはありません。2026年3月までの暫定措置にあるように保険資格がシステム側で確認できれば保険診療受けられます。確認できなかった場合は一時的に医療費を全額支払い、後日資格確認後に差額が返金されます。ただし、手続きが煩雑になるため、カードや資格確認書は常に携帯しておくことをおすすめします。
7.公費負担医療との関係
乳幼児医療や難病医療、自立支援医療などの公費負担医療は、マイナ保険証の導入後も従来どおり受給者証の提示が必要です。マイナ保険証は医療保険資格の確認を行う仕組みであり、公費制度とは別の運用になります。将来的に統合が進む予定ですが、2025年時点では別々の書類が必要です。
8.未取得者・間に合わなかった人がこれからすること
マイナンバーカードが手元にない、申請済みだが受け取り待ち、暗証番号を忘れた、カードを紛失した場合でも受診するための準備しておきます。
。第一に、保険者に被保険者資格確認書を請求してください。市区町村の国保窓口、事業所の健康保険、後期高齢者医療の広域連合などに連絡すれば郵送や窓口で無料発行されることが多いです。身分証明が必要な場合があるので運転免許証等を用意してください[3]。
第二に、マイナンバーカードの申請・再発行・暗証番号再設定は市区町村窓口等で受け付けています。急ぐ場合は資格確認書で当面の受診をカバーしつつマイナンバーカード手続きを進めましょう[1]。
在留外国人、長期入院や施設入所で外出が難しい方、障害や疾病で本人手続きが困難な方には代理人申請や出張申請の制度があります。対象や方法は自治体ごとに異なるため事前に問い合わせてください。マイナ保険証の利用は強制ではなく、資格確認書での受診も継続できます。
受診当日に保険証もカードもない場合は受付でその旨を伝え、氏名・生年月日・住所・加入見込みの保険者名を申告してください。医療機関はオンライン資格確認や保険者照会で確認を進め、やむを得ない場合は一時的に10割で預かり、後日資格確認後に差額を返金します。救急や小児など時間が重要な場合でも、受診拒否は原則行われません[2]。
9.まとめ ― 安心して切り替えるために
2025年は、日本の医療保険制度が大きく変わる節目です。従来の保険証は2025年12月1日で役目を終え、翌12月2日からはマイナ保険証と資格確認書が中心となります。
まずはご自身とご家族の保険証の有効期限を確認し、マイナ保険証の登録を済ませておきましょう。資格確認書が必要な方は手元にあるかチェックしてください。
マイナ保険証は、保険証を“デジタル化”するだけでなく、医療情報をより安全に共有するための仕組みです。薬剤師や医師が正確な情報を把握できれば、より安全な治療と服薬管理が可能になります。
高齢社が増えて、労働者の人口がへっていくこの2025年以降に、医療の分野でのデジタル化を進めて医療の効率化を図ることは必然と言えます。医療は今まで時代おくれのアナログで情報確認をしていた状態が続いていたので全産業の中でも生産性の低い産業と位置付けられています。効率化を進めないと維持すらできなくなるかもしれません。
完全移行に向けて、混乱を防ぐためには、早めの準備と情報の確認が何よりも大切です。
健康保険証は、あなたと医療をつなぐ大切な証明書です。移行のこの時期にこそ、自分と家族の医療情報を見直し、安全で確実な新制度への移行を進めていきましょう。
参考
- 厚生労働省. マイナンバーカードの健康保険証利用(マイナ保険証)について. 東京: 厚生労働省; 2025. Available from:
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_08277.html - 厚生労働省. オンライン資格確認について(医療機関・施術所等、システムベンダ向け). 東京: 厚生労働省; 2025. Available from:
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_08280.html - 厚生労働省. 資格確認書について(マイナ保険証を使わない場合の受診方法). 東京: 厚生労働省; 2025. Available from:
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_45470.html






